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花粉症・アレルギー性鼻炎

「花粉症・アレルギー性鼻炎」って何?

ダニ・ハウスダスト、花粉、動物などが原因(抗原:アレルゲン)となって起こる鼻炎のことです。
くしゃみ・鼻水(水様性鼻漏)・鼻閉を発作性に繰り返し、アレルギー性結膜炎をよく合併します。
アレルギー性鼻炎の中で花粉がアレルゲンとなるものを花粉症と呼び、ダニ・ハウスダストのように一年中症状が出現するものを通年性アレルギー性鼻炎と呼んでいます。
花粉は種類によって飛散する時期がだいたい決まっているため、その時期を中心に症状が出ます。

花粉症・アレルギー性鼻炎は増えているの?

通年性アレルギー性鼻炎はここ10年で微増していますが、花粉症は著しく増加しています。
特にスギ花粉症は国民の約半数が発症していると言われています。
また、スギ花粉症は低年齢化が深刻で5~9歳の3割、10~19歳の5割が発症していると報告されています。
お子さんは症状を自分で訴えないことが多いため、両親など周囲の人が気付いてあげることが大切です。

スギ花粉の飛散数は数十年前と比較して東京では約1.8倍に増加しています。
スギ林の面積自体は1990年代以降増加していませんが、スギは樹齢が30年以上になると花粉生産量が増えると言われており、樹齢30年以上のスギの樹木の割合がここ数十年で増加したことが原因と考えられています。

どうして花粉症・アレルギー性鼻炎になるの?

発症のメカニズムは完全には解明されていません。
他の多くの病気と同様に遺伝的要因環境的要因が複雑に関連して発症すると考えられています。
環境要因としてはアレルゲンであるダニ・スギ花粉の増加、生活様式の変化、食生活の変化などが挙げられます。

アレルギー性鼻炎患者さんの体の中では、スギなどのアレルゲンに対する抗体(IgE)が産生されるようになります。
このアレルゲンに対応したIgE(アレルゲン特異的IgE)がマスト細胞という細胞の表面に結合します。
この状態を感作と言います。感作された状態にアレルゲンが侵入してきますとアレルゲンはIgEと結合し、マスト細胞からヒスタミンなどのアレルギーを誘発する物質が放出され、症状が出現します(これが発症の段階です)。
感作と発症にはタイムラグがあると言われています。

どんな症状が出るの?

3大症状はくしゃみ、鼻水(水のような鼻水)、鼻づまりです。アレルギー性結膜炎を合併することも多いので、目のかゆみ、涙目、眼のゴロゴロ感といった目の症状が出る患者さんもいらっしゃいます。
また、咳、のどのかゆみを感じたり、重症の場合は微熱がでることもあります。
このような症状のため、生活の質の低下、集中力・思考力の低下、学習・仕事の効率の低下(労働生産性の低下)、気分の落ち込み・いらいら、睡眠の質の低下などが引き起こされることがあります。
労働生産性の低下については、アレルギー性鼻炎患者さん一人当たりの経済的損失は年間約19万円に達するとの報告もあります。

お子さんの場合、以下の症状や顔の特徴に注意してください。

  • 鼻や目をごしごしこする
  • 鼻を掻いたりほじったりする(その結果、鼻血がよく出たりします)
  • いびきをかく
  • 口呼吸になる
  • 落ち着きがなくなる
  • 鼻に横筋ができる
  • 目の周りのくま
  • 顔をゆがめたり、くんくん動かしたりする

このようなときは花粉症・アレルギー性鼻炎の可能性を考えます。

どうやって検査するの?

  1. 問診(症状の確認)
  2. 鼻腔所見(鼻鏡や内視鏡で鼻粘膜の状態や鼻水の性状、ポリープの有無などを確認します)
  3. 鼻汁好酸球検査(鼻水の中の好酸球という細胞を調べます)
  4. 血液検査(血清特異的IgE検査)
  5. 皮膚テスト(プリックテスト、スクラッチテスト、皮内テストなどがあります)

典型的な場合は①と②で診断がつくことが多いので、お急ぎの方にはこの段階で治療法を相談して治療開始となります。
詳しく調べたい方や診断が難しいときは③から⑤を行って診断・治療を行います。
⑤の皮膚テストについては極めてまれですが、アナフィラキシーを起こすことがありますので、状況によっては当院では行わず、病院などの医療機関をご紹介することがあります。

どうやって治療するの?

1.アレルゲン(抗原)の除去と回避

原因となるアレルゲンの除去と回避は基本的な治療として重要です。
ダニの場合は、部屋の掃除のほかに寝具の洗濯・掃除もしっかり行い、布張りのソファー、カーペット、畳は避けるようにしましょう。
花粉については飛散情報に注意しつつ、外出時はマスクやメガネを使用しましょう。
花粉は衣服に付着していることも多いため、表面がけばだった毛織物は避け、髪・衣服をよく払ってから部屋に入るようにします。

2.薬物療法

最も多く行われている治療です。抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、Th2サイトカイン阻害薬、抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬、鼻噴霧用ステロイド薬などがあります。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりの3大症状のうち、くしゃみと鼻水は同じ仕組みで鼻づまりのみ若干異なる仕組みで起こると言われています。
そのため、くしゃみ・鼻水には抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬などを、鼻づまりには抗ロイコトリエン薬、Th2サイトカイン阻害薬、抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬、鼻噴霧用ステロイド薬などを使用しますが、複数の薬剤を組み合わせて治療することもあります。
このほかに漢方薬や短期間の点鼻用血管収縮薬などを必要に応じて使用していきます。

最近はスイッチOTCと言ってドラッグストアでも一部の抗ヒスタミン薬・鼻噴霧用ステロイド薬を販売していますが、医療機関で処方されるものとドラッグストアで販売されているものには違いもあります(詳しくはこちら(医療機関とドラッグストアの薬は何が違うの?))

重症の花粉症の方には新しい治療法として抗IgE抗体治療があります。この治療にはガイドラインがあり、基準を満たした方のみが行えます(詳しくはこちら(抗IgE抗体ゾレア®治療について))

ゾレアによる治療を受ける患者さんとそのご家族の方へ:ノバルティスファーマ (hajimete-xolair.jp)

3.アレルゲン免疫療法(皮下、舌下)

原因となるアレルゲンを少量から徐々に量を増やし、繰り返し投与することで体をアレルゲンに慣らして症状を和らげる治療です。
通常3から5年治療を継続しますが、薬物療法よりもワンランク高い効果があると言われていることと、薬物療法と異なり治療終了後も効果がある程度維持されることが特徴です。
皮下注射する方法と舌下投与する方法があり、現在治療可能なアレルゲンはスギとダニの2種類です。
最近はアナフィラキシーのリスクの少なさなどから花粉症・アレルギー性鼻炎に対するアレルゲン免疫療法は舌下投与が主流となっています。

スギ舌下免疫療法薬であるシダキュア®の治験に、責任医師として参加した経験から、舌下免疫療法には特に力をいれております(詳しくはこちら(アレルゲン免疫療法・舌下免疫療法について))

舌の下(したのした)で行う鳥居薬品の舌下免疫療法専門サイト (torii-alg.jp)

4.手術療法

薬物療法などで十分な効果がない場合や鼻の形態に問題がある場合などに行われます。
局所麻酔(日帰り)で行われる鼻レーザー手術や全身麻酔で行われる鼻中隔矯正術、下鼻甲介切除術、後鼻神経切断術などがあります。鼻レーザー手術は当院で行っておりますので、ぜひご相談ください。
全身麻酔など当院で対応困難な手術療法は連携する医療機関をご紹介させていただきます。

患者さんの病態や社会的背景なども考え、これらの治療を組み合わせて最適な治療法をご提案したいと思います。

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