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睡眠時無呼吸・いびきについて

「睡眠時無呼吸」って何?

睡眠時無呼吸とは寝ているときに10秒以上の無呼吸・低呼吸(呼吸が弱くなること)が1時間に5回以上あって、眠気などの自覚症状がある状態です。
国内に900万人の患者さんがいると推測されていますが、治療を受けている方は60万人程度で検査や治療を受けていない「隠れ睡眠時無呼吸」の方がたくさんいると言われています。

なぜ、睡眠時無呼吸はいけないの?

1.睡眠の質が悪くなるため、昼間眠くなります。

交通事故や産業事故の誘発仕事のパフォーマンス低下を起こします(社会的・経済的損失を起こす病気です)。

2.心臓・脳・血管に負担がかかります。

心筋梗塞・脳卒中・不整脈の確率が増加したり、高血圧や突然死の原因になります(睡眠時無呼吸は生命にかかわる病気です)。

3.最近は睡眠時無呼吸と認知症の関連も疑われています

眠時無呼吸の方は認知症を起こしやすいと言われています。

どうして無呼吸になるの?

ほとんどの場合はのどが狭くなって閉塞して起こる閉塞性無呼吸です。
閉塞する原因として、肥満、あごが小さい、舌が大きい、扁桃腺が大きい、舌根沈下(舌が落ち込む)、鼻づまり(口呼吸)、お酒、薬(睡眠薬など)などがあります。
日本人はあごが小さく骨格が細いので、やせ型の無呼吸が多いと言われています(肥満がないから大丈夫というわけではありません)。

どんな症状が出るの(どんな人が注意したらいいの)?

自覚症状として、昼間の強い眠気、起床時の頭痛、夜中にトイレが近い、夜中によく目が覚める、うつ、性機能障害などがあります。
症状がなくても、以下の方は注意が必要です。いびきをかく、肥満(BMI 25以上)、人から無呼吸と言われる、生活習慣病(高血圧、糖尿病など)・心脳血管疾患(心臓病、脳梗塞など)がある、閉経後の女性などです。
また、職業ドライバーの方、リスクの高い業務(監視、危険物取扱など)に従事している方、過去に交通事故歴のある方は社会への影響が大きいため、特に注意が必要です。

どうやって検査するの?

まずはご自宅で簡易検査を行います。簡易検査には、①パルスオキシメトリー、②Type3簡易モニターなどがあります。
①は酸素の低下を調べるだけになり、②は酸素の低下と無呼吸を調べることができます。
当院では主に②のType3簡易モニターで検査しています。

簡易検査の結果で、必要に応じて睡眠ポリグラフィー検査(PSG検査)という精密検査を行います。
PSG検査は基本的には1泊の入院検査となりますが、状況によっては自宅で行うこともあります。

どうやって治療するの?

治療はCPAP(シーパップ)療法、マウスピース、体位治療、手術、ダイエット(減量)、生活習慣の改善などがあり、単独ではなく複数を組み合わせて治療を行うこともあります。

1.CPAP(シーパップ)療法

鼻にマスクを装着し、機械から空気を送りその圧で閉塞部位を広げる治療法です。
治療効果がよいため、世界的にも睡眠時無呼吸のゴールドスタンダードとなっています。PSG検査で1時間当たりの無呼吸低呼吸が20回以上あるいはType3簡易モニターで40回以上の方は保険で行うことができますが、原則として月に1回受診をしていただき、治療効果を確認する必要があります。
CPAP装置の進歩は目覚ましく、以前と比べると小さく、軽量化され、使用感もよくなっています。

2.マウスピース

舌と下あごはゆるくつながっているため、下あごを前方に出すような形(いわゆる反対咬合の状態)のマウスピースで舌を前方に引き出して閉塞部位を広げるようにします。
CPAP療法まで使用しなくてよい、比較的軽い方が主な対象になります。
保険で作成できるものと自費のものがあります。歯科クリニックで作成しますが、歯ぎしり用のマウスピースと異なり、無呼吸用に作成する必要があるため、当院では無呼吸用マウスピースに慣れた提携歯科クリニックをご紹介いたします。

3.体位治療(横向きで寝る)

日本人に多いやせ型の睡眠時無呼吸の方は仰向けになると無呼吸が悪くなり、横向きになると無呼吸が軽くなる方が多いと言われています(このようなタイプを体位依存性睡眠時無呼吸と言います)。
横向きに寝るだけで睡眠時無呼吸が軽くなる体位依存性の方には体位治療を行います。
具体的にはリュックを背負って寝たり、抱き枕を使用したり、寝具の工夫を行います。

4.手術治療

CPAP療法のかわりを目指すサルベージ手術とCPAP療法を行いやすくするためのサポート手術があります。
サルベージ手術には口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)などがあり、サポート手術には鼻中隔矯正術や下甲介切除術などがあります。
入院で行うものが多く、手術適応がある方は提携する医療機関をご紹介します。

5.ダイエット(減量)

肥満が原因の場合は体重を落とすことで睡眠時無呼吸は改善するため、ダイエットも重要な治療になります。
しかし、体重は2-3㎏程度の減量ではほとんど効果が見られず、一般的には10から20%の減量が必要と言われています。
運動療法と食事療法を併用してゆっくり減量していくことが重要です。

当院では北里大学北里研究所病院総合スポーツ医学センターと連携してダイエットをサポートします。
総合スポーツ医学センターでは嫌気性代謝閾値の測定(脂肪が最も燃えやすい運動量を調べる検査)、運動メニューの作成、栄養指導などを行ってくれます。

6.生活習慣の改善

アルコールや一部の睡眠薬には筋弛緩作用があり、睡眠時無呼吸を悪化させます。
寝る直前の飲酒をやめたり、量を減らしたり、睡眠薬の減量や変更、できれば中止することで睡眠時無呼吸の軽減を目指します。

7.舌下神経刺激療法

舌の動きを司る舌下神経を電気的に刺激して気道を広げる新しい治療法です。
電気刺激を行う電極は手術で埋め込みます。
CPAP療法ができない方が対象となりますが、それ以外にもいくつか条件があり、希望をすればだれでもできる治療ではありません。
また現在、日本で治療可能な病院は限られています。

武蔵小山わかば耳鼻咽喉科の特徴は?

睡眠学会耳鼻咽喉科学会の両方の専門医資格を持っている医師による診療

これまで、都内大学病院において10年以上にわたり、睡眠時無呼吸の治療を行ってきました。
PSG検査・CPAP療法ともに多数の実績があり、治療経験は豊富です。
耳鼻咽喉科専門医のため、CPAP療法をはじめ、幅広い治療に対応可能です。
CPAP療法は鼻にマスクをあてて空気を送り込む治療のため、鼻の管理も非常に重要になってきます。
鼻のプロである耳鼻咽喉科専門医の果たす役割は大きいと考えています。

2.豊富な医療連携先

手術治療をはじめ入院が必要な検査など当院で対応が難しい場合は連携する医療機関をご紹介させていただきます。

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